今週号のライジング号外が配信されたので、先週号から、一部を特別公開します。
第27回「安倍晋三・昭恵夫妻のカルト信仰、霊感頼み」
◆“自分探し”の昭恵夫人が行きついたオカルト信仰
月刊『文藝春秋』2017年3月号に、ノンフィクション作家・石井妙子氏による寄稿「安倍昭恵『家庭内野党』の真実」が掲載されている。まだ森友学園問題が発覚する前に発表されたものだ。
タイミングが良すぎて評判となり、現在、この記事のみ電子書籍化されて100円で読めるよ
森永製菓の創業家に生まれた昭恵は、聖心女子専門学校卒業後、電通に入社。24歳の時、上司の紹介で安倍晋三と結婚し、政治家の妻になった。2006年には第一次安倍政権が発足。そして、ファーストレディーとなってからの混乱と混迷が順を追って紹介されている。
ファーストレディーになりたての頃の昭恵は、「三歩下がって夫を立てる」夫人像を演じていたという。同時に、自分が世間でどのように思われているのかが気になって仕方なく、ネットで自分の名前を検索し、2ちゃんねるなどにも目配せして精神的に不安定になり、晋三に注意されることもあったそうだ。ところが、2007年に安倍が失脚。「どん底」を味わった昭恵は、「私らしく自分の人生を生きたい」と考え《自分探し》をはじめるようになったという。
ここまでの話は、心情的に理解できる面があるが、問題はこの《自分探し》の内容である。
まず昭恵は「神様に呼ばれた」と言い出して出雲大社を皮切りに全国神社めぐりをはじめ、スピリチュアル(霊的な)カウンセラーや神道関係者、ニューエイジ系の自然主義者らと交流を深めていく。
なかでも昭恵にもっとも大きな影響を与えていくのが、「水の波動研究者」で「国際波動友の会代表」の故・江本勝氏である。「波動」なんて、以前小説のなかで描いた、ネットで「遠隔波動修正」なんつう悪どい商売をしていた「大宮の魔導士」(小説『わたくしの人たち』より)しか思いつかなかったが、江本勝氏はスピリチュアル界の超有名人らしく、現実に、芸能界やスポーツ界、政界など縁起を担ぐ世界には大勢の信奉者がいるというから驚く。
3.11の震災を受けて、「地球人への呼びかけ」を行う故・江本勝氏
安倍家も、安倍晋三の父・晋太郎の代から江本氏に心酔しており、晋太郎がすい臓がんにかかった際など十数回に渡って江本に「波動」を見てもらっていたという。病の淵に立たされて、藁をもすがる思いでオカルトの罠に嵌ってしまったとしか思えないのだが、昭恵はこのオカルトを自分のアイデンティティにしてしまい、堂々と普及する活動に入っていく。
●抱腹絶倒のトンデモカルト本『水は答えを知っている』
安倍家が心酔するスピリチュアル界の有名人・江本勝の提唱する「水の波動」は、一体どんだけスゴイものなのか? 江本勝の著書『水は答えを知っている』(2001・サンマーク出版)を読んでみると……なにやら不可思議なことばかり書いてある。いわく、「水に文字を見せたり、音楽を聞かせたりすると、水がそれを理解して反応し、結晶で応える」そうで、
「しようね」と優しい言葉を見せると、右のように美しい結晶になるが、「しなさい」と命令口調を見せると、左のように「悪魔にも似た」反応を示したり……
ジャズを聞かせると、右のように美しい結晶になるが、うるさいヘビーメタルを聞かせると、怒りやスラングを反映して左のようになったりする、らしい…。
ただのヘビメタ差別だし、音量が大きければズンズン振動が響くのも当たり前のことで、単に水が低音を拾って物理的に波紋を作った部分をわざわざ探して撮っただけなんじゃないのとしか思えない。エルビス・プレスリーの『ハートブレイクホテル』という曲を聞かせた水の結晶には、「その名のとおり、結晶が二つに分かれてしまい、まさにハートブレイクといった感じです」(!)なんてコメントがあり、一冊まるごと抱腹絶倒の完全なるトンデモ本なのであった。
しかし、昭恵は違う。このトンデモすぎるオカルトをイノセントに信じ込む。
積極的に江本と交流し、2010年8月には事務所を訪問したことを、公式ブログで公表していた。
ブログ「安倍昭恵のスマイルトーク」(現在は閉鎖済みだが、復元したものを入手)
この記事を読むと、安倍の父がこのオカルト研究者に「波動」を調べてもらったことを、なんらヤバいこととも感じていない様子でアッサリ記しており、
水が言葉を理解しているというトンデモ理論を完全に信じ込んで紹介。
「アベマリア」を聴いたという水の結晶がきれいだったことをピュアに受け止めて、「アベマリア」とブツブツつぶやきながら写真を撮られている異常さにもまったく気がつかない様子で、心の中で「アベマリア、アベマリア、アベマリア……」と唱えようと決意しているのであった。
さらに仰天するのは、この後に起きた震災に関するエピソードである。
江本は、3月11日の震災を受けて「地球人への呼びかけ」と称して水への祈りを送るよう、『大霊界』丹波哲郎ばりの動画を公表する。さらに
『福島原発の中にいる水たちに、愛と感謝の想いを捧げ送ろう!!』日時2011年3月31日(木)正午「福島原発の中の水たちよ辛い思いをさせてごめんなさい。我々を許して下さい。そして有難う、愛しています。」これを口に出して、あるいは心の中で、手を合わせて3回祈ってください。
などとメッセージを発表。
そして、放射能汚染水には、愛と感謝のエネルギーで対処できるなどとして、自分の研究所が発売している「愛・感謝のエネルギーの入った水」を勧めたのだ。
考えてみてほしい。2011年3月末。まだ震災発生間もない初期段階で、被災地の人々は避難所に身を寄せ、そして全国では、食料や水の買い占めパニックが起きていた、あの時期。そのタイミングで「愛・感謝のエネルギーの入った水」を勧めているのである。
これは、江本勝による、災害に乗じた霊感商法なのだ!
「愛・感謝の水」2リットル6本入り、3703円(送料別)
こんなことは、脊髄反射で気がついて眉をしかめるのが常識人。
しかし、昭恵はこれを悪質な霊感商法だと判断することもなく、そのままイノセントに受け止め、江本勝のブログを拡散しながら、自身のブログにこんなことを書いている。
3月31日正午、福島原発の水に愛と感謝を送って下さい。たとえ離れた場所からであっても、その想いは必ず届き水は記憶します。そのことによって事態が少しでも好転すればいい・・・。
昭恵、この時、49歳。
国家存亡の危機が発生するさなか、遺体発見作業もまだまだ始まったばかり、被害全貌を把握できていないような状況で、こんなカルト信仰を堂々と晒していたのである。
自民党議員が、必死に「昭恵さんは博愛主義者でピュアでイノセント」と言ってかばう、その内実は、驚くべき無知蒙昧さを晒すカルト信者なのだ。
当時の『フライデー』(2012.11.2号)によると、愛・感謝の水に関しては「1?2本もらったけれど、他人に勧めてはいません」と話を濁しているが、記者の取材に対して「間違っていると思っていない」「良い感情を持っていれば水が変わるということだけは信じているので」などと答えている。
腹痛にあえぐ安倍晋三も、愛・感謝の水を飲まされていたことだろう。
◆カルト信仰も夫婦二人三脚で…
江本勝の『愛・感謝の水』のほかにも、安倍夫妻はさまざまなカルトにはまっている。
まずは “免疫力が向上し、末期がんが消滅する”というトンデモカルト。
かの有名なホルミシス療法だ。
週刊新潮2013年3月28日号
安倍首相は、放射性物質『高濃度ホルミシスラドン吸入器』を首相官邸に持ち込んでいる。
安倍首相ご愛用、高濃度ホルミシスラドン発生装置
週刊新潮の記事によれば、安倍首相が使用している「ラドン吸入器」と「ラドン水生成装置」は、合計200万円以上するらしい。1万7000ベクレルの濃度でラドンが吸引できて、10分間で0.014ミリシーベルト被ばくできるという。
あ、そっか。だから安倍首相は原発を再稼働したいんだ。むしろ健康になると本気で思っているのかもしれない!
お次は、“生命情報記憶伝達技術を用い、生物の固有磁気情報を人体に伝達する”という『セラミックボール』(定価10,800円)。
このセラミックボールには、生薬・漢方など人体に有益な約80種類の情報が記憶されているらしく、水に10分間浸すと、その記憶された情報が水に転写され情報水になるとか! 永久磁石によって取り出された生物の固有磁気情報が、一粒にたくさん記録されており、あなたの身体にトランスファ?????…。
さらには、“悪霊払いやお告げ、霊感治療”を生業にする宗教団体が販売する『神立ての水』。
この『神立ての水』に関しては、すくなくとも第一次安倍政権の時から安倍首相が愛飲しており、自身の政治資金管理団体「晋和会」が複数回に渡って購入していることも発覚している。
安倍は、この水を販売する宗教団体から「お告げ」を受けたり、代表者の親族の結婚式で媒酌人をつとめるなど、家族ぐるみ・霊感ぐるみの付き合いをしていた。安倍の事務所スタッフが、『神立の水』を別のミネラルウォーターで代用しようとしたところ、安倍は「だめだ! あの水じゃなくちゃ絶対ダメなんだ!」と激昂したという。
現在、わかっているだけでこれだけある。安倍夫妻の自宅には、もっとさまざまなカルトグッズが陳列されていることだろう。そこかしこにお札が張り付けてありそうだし、洋の東西南北をまったく問わない祭壇があちらこちらに設置されていてもおかしくない。
この話からわかることは、昭恵が強烈なオカルト信仰であることだけでなく、安倍晋三という我が国の最高権力者が、霊能力やスピリチュアル、それに伴う霊感商法に依存してまで心を支えているレベルの、極めて不安定な精神の持ち主であるということだ。
人間が精神不安定、情緒不安定に陥るのは仕方がないし、さまざまなものにすがることもある。しかし、そのような精神状態の人間に、一国の首相を任せるということになると、話が別。果たしてこの夫婦は、日本の首相夫妻としてふさわしいのか? ここを考えなければならない。
石井妙子氏の記事によれば、毎晩、晋三が眠りにつくときには、昭恵が傍らで「祝詞のようなもの」を唱えてもいるという。魔術がなければ晋三は眠れない! はああああ……森友問題で昭恵は自宅に帰れなくなり、一説には某スピリチュアル施設に潜んでおり、各社が出入りを激写するべく張っているというが……晋三、昭恵の魔術を受けられなくて、さぞ不安な日々を送っていることだろう。
さて、このように、カルト、オカルト、大カルトの限りに手を出しまくる夫妻だが、『フライデー』(2012.11.2号)の記事のなかに、興味深い記述がある。
水の波動研究者・江本勝氏と昭恵夫人はビール飲み仲間で、江本氏が主宰する「世界中の子供たちに江本勝の本をタダで配るという平和活動」に、昭恵が資金援助していたというのだ。その援助によって「ミャンマー語版も出した」と。
昭恵は、水が文字を見たり、音楽を聴いたりしてその意味を理解し、反応するというトンデモカルトを信仰するあまり、世界中に普及するための資金援助をしていたのだ! あんなものを子供たちにタダで配って平和活動なんて、「幸福の科学」信者が大川隆法の本を大学の卒業式や成人式に配りにくることとまったく同じ。
私は、この記事を読んで、やたらと納得するものがあった。教育勅語を朗誦する幼児を見て感動して涙し、安倍晋三万歳する様子を見ても「大人に言わされてるだけでしょ」と疑うこともせず、籠池氏の教育方針に入れ込んで、名誉校長になり、100万円の寄付金を渡した行動と、なんら変わりはないからだ。
そりゃ昭恵夫人ならあの学校の名誉校長になるし、安倍夫妻が寄付金を渡すのも自然だわ、と。
さて、つづく今週配信の「泉美木蘭のトンデモ見聞録」は…
「平沼赳夫・安倍晋三・森友学園は同じ“愛国教育”のムジナだ!」
森友学園疑惑について、さらに注目しなければならない人物を指摘しています。
それは・・・自民党衆院議員平沼赳夫!
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